2008年05月20日

賃金構造基本統計調査が語ること

大学1年生の「キャリア・ディベロップメント論」という授業を担当しています。
将来のことに思いをめぐらせ、
大学で何をどんなふうに学んだらよいのか、
学生生活をどんなふうに送ったらよいのかを考える授業です。

学生たちの人生は、医学技術の進歩により100年ぐらいになるのかもしれません。
ま。80年だとしても大学卒業後の60年以上の間、生活を支える職業について、
せめて授業時間内だけでも考えることは有意義なことだと思っています。

今日は、この授業準備のために厚生労働省の賃金構造基本統計調査を見ていました。

1. いまだに男女間の賃金格差はなくなっていない。
 大卒の初任給でいうと、男性198.8千円に対し、女性は191.4千円。
 大企業に入社するのが男性が多いからかと思いきや、
 大企業の初任給も男性200.5千円に対し、女性は192.1千円。

2. 地域格差も学歴格差も大きい。
 福岡県の初任給(大卒)は、男性193.7千円、女性181.0千円。全国平均を下回る。
 ちなみに、東京都は、男性206.9千円、女性197.9千円。
 学ぶ時間と授業料を考えれば当然なのかもしれませんが、
 大学卒(男女計)の初任給195.8千円に対し、高専・短大卒では168.5千円。

3. 正社員と非正社員を比較すると、年齢を重なるにつれて差が大きくなる。
 正社員では年齢とともに賃金が上昇するが、非正社員には上昇が見られない。

4. 正社員において最も賃金が高いのは50歳から54歳。
 賃金からいえば、企業に最も貢献できるのは、この年代・・・
 そして、この年代で高賃金を払っている社員には退職してほしくない・・・ということのあらわれか。
 
 さらに。それ以上では賃金が上昇していないのは、
 能力の向上が期待できなくなるからか、貢献できない人には勤務を続けてもらわなくてもよい・・・。


あと何年間、能力を向上させることができるのでしょうか?
授業のために見ていた統計調査でしたが、なんだか自分のことを考えてしまいました。
Ayumi・・・icon151でした。
  


Posted by hishoclub at 14:14Comments(2)