2011年09月27日

【9月例会報告】女性杜氏に学ぶキャリアと楽しい日本酒講座

9月例会は、若波酒造の8代目 杜氏 今村友香さんを講師にお招きにして、そのキャリアについて伺いました。

酒蔵に産まれたものの、女性である友香さんには、入ってはいけない世界があり、自分が酒蔵で仕事をするとは思ってもいなかったそうです。
京都の大学へ進学し、京都での就職も決まっていたのですが、お父さんが体調を崩されたため1年間という理由で蔵を手伝うことに。

はじめは不本意な仕事をさせられ、自分は家族の犠牲になった・・・とっていた今村さんですが、酒造りが始まり、タンクの温度を測るという仕事を担当したときに、「タンクの中で何が起きているのか知りたい!!」と興味を持ち、独学で勉強を始められます。


さらに、通信教育、夏場は研究所で寮生活をして勉強、秋冬は蔵を手伝う、さらに他の蔵に修行に行くという生活を6年ほど続けられます。


しかし、手伝うと言ってもそこに自分の居場所はありません。

なぜなら、ほんの少し前まで女人禁制の世界。
当時は蔵に女性が入る前例は九州になく、また娘であるからという理由で簡単に入れることはできない、というお父様の思いもあったようです。


そんなある日、研究所にいた友香さんのもとに「友人にイチゴ農家がいて、今度イチゴのお酒を作るから・・・」とお父様からの電話。

ふだん、電話をしてくることはないし、口数が多くないお父様が、わざわざ電話をしてくるということは、何かのメッセージ??と思った友香さんは、「蔵より先に開発すれば蔵に戻ることができる!!」と考え、イチゴのお酒を作ることに。
しかし、研究所の先生に相談するも大反対。
なぜなら、イチゴは褐色がはげしい果物。それがゆえに、当時イチゴのお酒はなかったそうです。

しかし、「あまおうを使ったお酒を作りたい!」という友香さんのブレない想いが先生たちに通じて協力を得、試行錯誤を重ね、1年間で無添加のあまおうのお酒を開発することに成功します。
もちろん蔵より先に・・・。

2006年、若波酒造8代目杜氏に就任し、2008年には純米酒「若波 縁(en)」で福岡国税局酒類鑑評会にて優等賞を受賞。九州の女性杜氏として初の受賞です。


また、あまおうの大ヒットにより、全国からの問い合わせ、蔵見学の問い合わせが増えたため、「一日一組蔵見学」を企画されたり、地元農家、異業界の方々とのつながりも大切にされている友香さん。
一つひとつのお話が感動でした。
今後ますますのご活躍をお祈りしています!!


・きっと今はくすぶる時期
・それを意識するかしないか
・一年ずつ目標をたてる、ひとつの目標にいくまで一気にはいかず長期戦で・・・
・ブレない目標を持つ
・マイナスが起こったときに、いち早くプラスに変える

わたしたちの仕事にも通ずるヒントをたくさんいただきました。


キャリアについてお話を伺ったあとは、博多廊のランチをいただきながら、友香さんの作ったお酒をいただきました。

また、お酒の飲み方についても伺いました(またの機会にご紹介いたします)。





By TAKIicon112  


Posted by hishoclub at 00:09Comments(1)例会