2007年09月20日

より良い人間関係を築くためのヒント~2~

あゆみです。icon151

大学で「社会心理学」の授業を担当しています。社会心理学は「人間の社会的行動」、つまり「人間が社会生活の中で、お互いに影響を与えながら、どのように行動するのか」を明らかにします。そして、そのテーマには「他者をより良く理解し、自分を適切に表現し、相互理解を深め、より良い関係を築くこと」に、いかに貢献できるか、があります。
 このシリーズでは、不定期ですが「より良い人間関係を築くためのヒント」を記します。

~2~ エチケットとマナー

 エチケットとマナーについて、帝国ホテルの山口勝氏は著書「美しいマナー教科書」(太陽企画出版)の中で次のように説明しています。

 「エチケット」は礼儀や世間の常識。いわゆる人づきあいを円滑にするための”常識的なルール”であり、社交の”型”、一方、「マナー」は、その”型”を理解したうえで、相手に対してとるべき態度や処置であり、社交上の”心”。

 「エチケット」を語るとき、「あの人はエチケットを”知っている”、”知らない”」という表現を使い、「マナー」の場合は「あの人はマナーが”よい”、”悪い”」と表現するのはそのためです。

 たとえば、同窓会パーティーに出席したとき。
 楽しそうに思い出話に花を咲かせているグループの中に、久しぶりに会う友だちを見つけました。けれど、その友だちは別の方と話をしています。そのとき、どうしますか?
 知り合いに会ったときに、あいさつするのは「エチケット」。ただし、相手が取り込んでいるような状況のときは、黙礼だけして、後からタイミングを見計らってあいさつをしに行くのが「マナー」。
 もし、ここで、強引に会話に割り込むようなことをしたら、「マナーの悪い人」と言われてしまいます。

 マナーは相手中心の発想、行動。つまり、自分が決めつけるのではなく、相手がどのような気持ちで、その言動を受け止めるのかが大事。

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 より良い人間関係を築いていくために、特に、初対面の人とも良い関係を作らなければならないことの多い現代社会では「こういうときには、こうしたほうがよい」という知識、すなわち、エチケットは必要です。過去から積み重ねられてきた知識の集大成に頼らない手はないと思います。でも、そこには、TPOを把握する力やホスピタリティ(相手を思いやる心)が不可欠なのですね。

 「ありがとう」という言葉を知っていても、相手に感謝する心を持たなければ「ありがとう」という言葉を使う機会はきっとないでしょう。知識に相手を思いやる心をプラスして、よいマナーを表現できるようにしたいものですね。


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参考:山口勝「美しいマナー教科書」(太陽企画出版)。 
現在、こちらの本は手に入れにくいようですが、文庫本「マナー美人塾」(三笠書房)にも同様のことが記されています。


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